短刀 (銘) 宗 次 室町時代末期 出羽国
平造り庵棟、刃長25.6p 、反り−p。
元巾2.2p、先巾2.0p、元重ね6o、先重4o。
地鉄、板目に流れ柾目交じり。
刃紋、小沸付く互の目乱れ。
帽子、乱れて、先、小さく丸く返る。
茎、うぶ茎、勝手下がりヤスリ。
月山の鍛冶は元々は蝦夷鍛冶でした。
月山鍛冶について
名鑑によれば、平安時代の建久(1190-1198)頃、蝦夷鍛冶として「月山」の二字銘を
刻する刀工が鬼王丸と子として記されています。
また伝承では、月山鍛冶は常陸、伯耆、出雲、九州各地に分派したと言れていますが
現存品の殆どが室町時代初期の応永(1394)前後の作品のようです。
なお、永正頃(1504-1520)の月山近則は備前鍛冶に学んで月山特有の綾杉肌の作品で
はなく、末備前風の作品を残しています。
本作は室町末期の天正頃(1573--15991)の宗次と鑑定されている作品で、綾杉肌の物
とは違っていますが、うぶ茎は貴重で、地刃共に他の月山鍛冶とは趣を異にしている
ので物打ち辺の鍛え傷が惜しまれますが好資料の一振りです。
白鞘付 刀剣保存会鑑定書付き
しのぎ刀剣美術館